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【2023年3月】ロブサン・プントソック師来日講演の運営・ライブ配信




インドにおいて環境に恵まれない子供たちへの教育活動を行うロブサン氏の来日にともなうチャリティ講演会の運営およびインターネットでのライブ配信を担当いたしました。 以下は当日の案内文です。


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京都にて開催されるTEDxKyotoのスピーカーとして、インドの奥地ヒマラヤからロブサンという僧侶が京都に来られます。いま、この地で極めて大きな社会的に意味のあるプロジェクトが始まろうとしています。大きな孤児院を作るプロジェクトです。  かつて、ロブサン師自身がトイレで生まれた捨て子であり、チベット仏教の僧院に預けられました。しかし、そこで奮起され猛勉強してハーバード大学で教鞭を取るまでになられました。そして、師は17年ほど前にインドに戻り、子供を一人一人集めて孤児院を建設されました。そこには現在105人の子供たちがいます。最近、その活動を記録した映像がアメリカのドキュメンタリー番組の最高峰「エミー賞」を受けました。すばらしい映像(40分弱)なので、是非ご覧ください。


現在、その孤児院はさまざまな問題を抱えています。まず建物の躯体が傾きかけており、建て替えなければいけません。しかし、予算がありません。そこで、ファンドレイジングのために、まずは設計のイメージを建築家の手塚貴晴先生がCGで作られました。こういった活動が実を結び、建設が少しずつ進む見通しになりました。具体的な設計も進めており、ダライラマ法王と現地の第一首相(知事)のサポートもいただけることになりました。 現地は少数民族であるモンパ族が住む地域です。驚くほど外見は日本人に近く、使っている言語も日本語と共通点が見られます。この地域はインド、中国、ブータンの国境に近い地域ですが、地元民を除き道が閉ざされています。外国人は通常のビザでは入ることができない地域です。 現地には深刻な貧困が見られます。かつて、この地域では互助社会が成立していました。深い谷と尾根に阻まれ、小さな文化圏が成立していて11もの言語が存在します。新婚の家庭が生まれると、地域で木と石で家を建てて畑をあつらえ、子供達は地域で育てていました。しかし、そこに貨幣経済が入り、人々は道路建設と軍の施設に従事するようになりました。貨幣が生活の糧となり、コンクリートで家を建てるようになります。結局、貨幣は500キロ以上離れた都市に行き、地元には残りません。結果として核家族化が進み、貧困と大勢の孤児が生まれています。子供の死亡率が50%を超えた村もあるそうです。 今回のプロジェクトではできるだけ地元の石と木で学校を作ろうという趣旨で取り組んでいます。この地域にいる大勢の孤児のための学校です。今や日本では石の建築は最高の贅沢ですが、ここでは正しい工法です。コンクリート建築を作ると、資金は地元に残らず都市に流出してしまいます。石は現地の人々と一緒に積む予定です。大地から頂いた木材は、子供たちが植樹をして山に帰します。 孤児院にも関わらず、ここでは極めた高度な教育が行われています。今では州の成績トップ10人の高校生のうち、9人がこの孤児院が占めるまでになっています。孤児院の卒業生の90パーセントが大学に進みます。これは日本の孤児院の大学進学率が20パーセントにも満たない状況とは対照的です。インドの奥地の最も貧しい地域で、世界で最も高度な教育が行われています。インドは受験競争が極めて激しい国であるにも関わらず、ここでは笑顔でごく自然に驚くべき成果が出ています。 教育手法もユニークで最先端です。チベット仏教の問答の手法です。第一段階では先生が質問を投げかけます。これを種(seed)と呼びます。この段階では子供たちはノートを使わずひたすら先生の話を聞きます。第二段階を消化(digestion)と言います。ノートや教科書を使い自ら学びます。第三段階として分かち合い(sharing) が行われます。最初は二人で教え合い、その後三人、五人、七人と増やしていきます。これは知識を智慧へと高めて行く過程だそうです。この教育手法が驚くべき成果を上げています。ここにはiPadもiPhoneもありません。大きな資金もありません。 まさに、この手法は仏教の三慧(聞慧・思慧・修慧)が体現されています。現代の教育が失ってしまったものであり、最も重要なものなのではないかと感じています。

今回、3月16日夕方にロブサン師を退蔵院にお招きしてシンポジウムを開催します。(16時~17時30分 トークセッション 17時30分~19時 食事会)間際のご案内で恐縮ですが、大変貴重な機会ですので是非御参加いただけましたら幸いです。オンラインでもご参加いただけます。今回はリアルとオンラインでハイブリッドでの開催させていただきます。 少しでも孤児院の建設にお役にたてるようにファンドレイジングとネットワーキングを主な目的としています。ヒマラヤの孤児院で行われているすばらしい教育にご興味をお持ちの方は是非御参加お待ちしております!!

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